地中埋設物について
地中埋設物とは、その名の通り地面に埋まっているもののことを指します。売買契約を終え、工事を進めるなかで地中に埋設物がみつかるというケースも少なくありません。地中埋設物が見つかった場合どのようなことが問題となるのでしょうか。
地中埋設物の影響
地中に、建物解体によるコンクリートガラや放置されたままの浄化槽、撤去されなかった地下室、専門的な業者の埋め戻しを必要とする井戸、水道管、下水道管が残存していた場合に、そのままにすれば工事そのものに支障をきたしたり地盤が弱くなり地震が起きた際に大きな被害が出たりといった影響の他、売主が瑕疵担保責任を問われるなどさまざまなトラブルを引き起こすことになります。土地を売却する際には、地中に埋設物がないか調査して確認する必要があります。
撤去は売主負担
地中埋設物のトラブルは、従前の所有者や業者が正しく処分する費用や手間を惜しんで埋めてしまうこと等により発生します。地中の埋設物を放置して売却し、後に発覚した場合には、撤去費用は売主が負担することになります。それだけでなく工事を中断した際には、その損害賠償まで負う可能性もあり得ます。土地の使用目的が住宅でない場合でも、地中の埋設物を撤去する義務は売主にあります。売主は地下に埋設物がある可能性を考えながら取引することや、万が一埋設物が見つかった場合のことを契約書に記入しておくことで未然にトラブルを防ぐことになるでしょう。
撤去費用の相場
解体工事中や終了後に地中埋設物が見つかった場合、基本的には追加費用の対象となります。撤去費用は地中埋設物の種類や量によって異なり、業者ごとにさまざまです。また、業者によっては廃材に関係なく、用意するダンプカーやトラックに応じて費用を決めることもあります。相場としての参考価格は以下の通りである。(1㎥あたりの種類別相場)
種類別相場
ガラ | 12,000円 |
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木くず | 5,000円 |
石膏ボード | 12,000円 |
レンガや瓦 | 22,000円 |
カーペット | 16,000円 |
タイル | 25,000円 |
サイディング | 25,000円 |
使用する車両ごとの費用
2トントラック | 18,000円 |
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3トンダンプ | 18,000円 |
4トントラック | 25,000円 |
2トンコンテナ | 18,000円 |
4トンコンテナ | 18,000円 |
万が一、地中埋設物が見つかった場合、その量が少なく処理費用もわずかであれば、当事者間の話し合いなどで解決することもできますが、多量の地中障害物が発見され大きな処理費用がかかるとなると、当事者間の話し合いで解決することは難しくなります。
深刻な問題となり、契約を解除することができるのかといった点を巡って対立してしまうことになりかねません。あらかじめきちんと調査しておくことをお勧めします。